まぶたのなんちゃら

☆受話器から聞こえてくる女性の声に、御剣は目を細め、やや経ってから難しそうな顔をして

御剣：怜侍ですが、ご無沙汰してます。お母さん。

母：あら。レイジ。本当に久し振りね。元気にしてた？
便りが無いのは元気な証拠と言うけど、たまにはこうして声だけでも聞かせてちょうだい。

御剣：むっ。すみません。

母：ふふ。あまり気にしないで。
あなたもお仕事大変でしょ。
お母さんの事は気にせずにお仕事に専念なさい。
それで今日はどんな用事なの？

御剣：はい。実は今日、久し振りに信楽さんに会ったので、その報告を。

母：あら。そう。盾之君に!?
そうしたらレイジは怒られたか『裏切り者』って言われたんじゃないの？

御剣：ぐっ。（なかなか鋭い）

母：あら。図星だった？
良いレイジ。
他の誰があなたを悪く言おうとも、私はあなたの味方よ。
そして天国のお父さんも……。
だからあなたはあなたの信じる道を進み、それを貫きなさい。
そうすればいずれ、私達以外の人もあなたのした事を理解してくれるから。

御剣：………………。

母：はいはい。
お礼は結構よ。
かわいい息子をかわいがるのは母親の仕事ですから。

御剣：（……こんなに親バカだっただろうか）

母：じゃあね。レイジ。
あなたは何でも自分のせいにする癖があるから
あまり思い詰めずに無理をせず
体に気をつけなさい。
……元気でいてくれることが何よりの親孝行なんだから。

御剣：はい。ありがとうございます。
お母さんも体に気をつけてください。

母：ええ。
そうそう。盾之君と仲直りしたら、二人で家に顔を出して。
久し振りにご馳走を作りたい気分だから。

御剣：はい。お母さん。

というような事を信楽さんと再会後、お母さんと電話でやり取りしたのかな？
などと妄想しました。
（御剣母は美人で肝っ玉母さんに違いない。という妄想してるんです。
信さん亡き後、みっちゃんを女手一つで育てたみたいだから）